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 エキスポライナー    

EF81と415系
 東京方面からの輸送力強化の為、快速列車、エキスポライナーが運転されました。常磐線は藤代以北が交流電化されていて、取手藤代間を通過できるのは交直流車両のみであったため、首都圏に数多く配置されていた直流車両が使用できず、万博輸送の車両確保には難儀したようです。そのため考えられたのは、(1)交直流電車の増備 (2)通常の取手・我孫子まで運転している快速電車に接続する (3)各地の余剰車両を活用する の3パターンでした。

 運転区間は、上野駅・我孫子駅・取手駅・大宮駅〜万博中央駅・土浦駅、時間帯は下りは7時〜16時台、上りは12時〜22時台で、それぞれの列車には号数が振られました。これは恐らく、列車によって行先、停車駅が異なる為、誤乗を防ぐ意味合いもあったのかと思います。基本停車駅パターンは 上野−日暮里−北千住−松戸−柏−我孫子−取手−万博中央−土浦 でした。
 401・403・415系電車 エキスポライナー

401系初期車 我孫子駅にて
 401系初期車

 当時、401系初期車(低窓車)を組み込んだ編成が3編成ありました。この形式のエキスポライナーは、一部のマニア人気がありました。しかし一般乗客からすれば非冷房車なので、夏場は敬遠、迷惑な車両でした。


401系初期車 万博中央駅にて
 401系初期車

 こちらは前照灯原型のクハ401-14の、エキスポライナー。
 編成内に封じ込められ先頭に出ることはありませんでしたが、会期末の9月になって編成替えで正面に出るようになりました。
 9月16日の最終エキスポライナー56号の先頭は、このクハ401-14でした。


403系 万博中央駅にて
 403系冷改車

 403系。当時は原型前照灯装備車が基本で、シールドビーム改造車は401系の一部のみでした。

403系 万博中央駅にて

403系 土浦駅にて


415系 万博中央駅にて
 415系

 415系電車は全車冷房車だったので、夏期も涼しいエキスポライナー体験が出来たと思います。
 401・403・415系エキスポライナーは15両(一部12両)で充当されましたが、乗客が少ない為7両に減車した時期もありました。

 403・415系の鋼製車は、2007年に常磐線から引退しました。さよなら運転の模様はこちら

415系 万博中央駅にて

415系 荒川沖〜土浦にて


 エキスポライナーのサボ

 画像上から、水戸局電車用:東京北局電車用:水戸局電車用裏:東京北局電車用裏。

 水戸局電車用は401・403・415系電車に使用。東京北局電車用は、実際に使用されたかは不明。当時上野駅で勤務されていた国鉄職員M氏によれば列車遅延時等の予備として制作されたとのこと。

 エキスポライナーの前面種別幕

 415系前面種別幕。エキスポライナーはステッカー対応でした。


 謎のエキスポライナーサボ

 謎のエキスポライナーサボ

 時折部品入札誌などには出品されてたりしてましたが、流通はとても少ないと思われるサボ。
 私自身はこのサボが使用されていた場面に遭遇していません。このサボはどういう経緯で作られたのでしょうか?

 表の上部は淡緑。表文字は黒。車両部分は濃紺に赤。裏面は「科学万博−つくば'85記念 昭和60年3月17日〜9月16日 日本国有鉄道東京北鉄道管理局」。文字は濃紺。

 サボのレイアウト自体は当時「新幹線リレー号」で使われていたものと酷似しています。緑色の部分は「リレー号サボのレプリカ」に使用されている緑色とは異なっています。
 上野-万博中央と作ってみたものの、実際の複雑な運用を考えると使い勝手が悪いはず。上野発だけでも上野-万博中央、上野-土浦の2系統ありました。
 また万博中央のローマ字表記が「BANPAKU-CHUO」と誤表記、実際使用された「BAMPAKU-CHUO」ではありません。

 このサボは当時国鉄職員だった方から譲っていただきました。当時の経緯は覚えていらっしゃいませんでしたが、国鉄東京北鉄道管理局で製作された事は間違いないと思います。
 そこで用途を推察してみました。1つは3月17日テープカットがあった始発エキスポライナー用の特別サボ、1つは部局内の試作品、そしてもう1つは記念品としての販売、という可能性があるのではないかと思っています。

 初日始発テープカットされたエキスポライナーの特別サボであれば、1回切の使用なので行き先が書かれていても運用上の不都合はありません。部局内部の試作であれば、ローマ字表記の間違いも問題はなさそうです。当時は鉄道部品などを記念品として売り出す売店の設置に積極的でした。このような記念サボを売っていたとしてもおかしくありません。

 さて、真相は如何に....
 581系特急型寝台電車 エキスポライナー

581系 万博中央駅にて


581系 土浦駅にて
 581系特急型寝台電車

 大阪鉄道管理局から借り入れた向日町運転所の581系12両を利用したエキスポライナーです。急行「きたぐに」用の編成で、B寝台10両、A寝台1両、グリーン車1両の合計12両です。
 エキスポライナーは普通列車なので当然寝台は解体(収納)、全車普通料金で乗車できました。

 運転日
 5/24,25,27,29,31
 6/1,3,5,7,8,10,12,14,15,17,19,21,22,24,26,28,29
 7/1,3,5,6,8
の、エキスポライナー1,7,10,29,34,47,52号に充当されました。

 こぼれ話

 普段は大阪で活躍する車両がエキスポライナーとして運転されると言えば、当然鉄道ファンが集まってきます。土曜日昼間の581系エキスポライナーなんかは、鉄道ファン専用列車と化していました。
 特急用車両に普通料金で乗れるわけですから、ファンならずともお得感は倍増です。

 寝台車と言っても寝台を解体(収納)して座席にしてあるわけですが、この寝台を組み立てる輩が出現していました(鉄道ファンが中心です)。そこで車掌の車内放送。「寝台の組立はやめてください」。
 でも、ファンはやめません。二段寝台三段寝台の上へ登って、まるでジャングルジム状態。

 とうとうブチ切れ車掌が「寝台料金を払いなさい!」 

 とはいえ鉄道マニアに理解のある車掌もなかにはいたようで、車内放送で「この車両は581系特急型を使用していまして〜...」とサービス放送をした車掌もいました。
 エキスポライナーの愛称板

 581系エキスポライナーには、下掲の上野持ち琺瑯製愛称板愛称板が取り付けられていました。号車札はよく見ると尾久客持ちのようです。

 方向幕はなぜか急行銀河号に(汗
 583系特急型寝台電車 エキスポライナー

583系 石岡〜高浜にて


583系 万博中央駅にて
 583系特急型寝台電車

 青森運転所の583系特急型寝台電車エキスポライナー。寝台特急「ゆうづる」「はくつる」号が朝上野到着後、夜青森に向けて出発するまでの時間を活用した間合い運用のエキスポライナーです。編成は時期によって9両や12両がありました。

 エキスポライナーは普通列車なので当然寝台は解体(収納)、グリーン車も含めて全車普通料金で乗車できました。

 運転日
 3/21,31,4/1〜7,28,29,5/3〜6,6/2,9,16,23,30,7/7,14,8/1〜9/1,5〜16
 の、エキスポライナー23,28号に充当されました。

 なおエキスポライナー23,28号は共に大宮発着です。これは夜の寝台運用のため、東大宮操車場にて寝台組立を行う都合上です。

 こぼれ話

 大宮発のエキスポライナー。大宮から万博中央(武蔵野線経由)という珍しい列車のため、やはりマニア度の高い列車でした。一方マニア熱とは裏腹に、一般のお客さんは少なくガラガラ状態が多かった列車でもありました。
 581系と同じく、寝台を組み立てる輩が出現、車掌の車内放送は「寝台の組立はやめてください」。毎度の放送でした。

 正面ヘッドマークは常に臨時表示でした。ただ絵柄エキスポライナーのヘッドマークを取り付けた写真も会期後に発見されています。実見はしていません。もしかしたらエキスポドリーム号入り幕にエキスポライナーが入っていたのかもしれません。
 58系急行型気動車 エキスポライナー

キハ58系 万博中央駅にて


キハ58系 高浜駅にて
 58系急行型気動車

 水戸機関区の58系気動車エキスポライナー。科学万博直前のダイヤ改正で廃止された急行「ときわ」「奥久慈」に使用、改正後余剰となっていた水戸機関区の急行用気動車を活用したエキスポライナーです。運転当初は、我孫子〜土浦間の運転でしたが、夏期には上野〜土浦間と区間が延びました。
 気動車は、エキスポライナー1,4,19,20,40,41号に充当されました(運転日によって異なる)。
 また夜の水戸機関区への回送列車を、臨時普通列車(回9419D)として運転したこともありました。

 こぼれ話

 元急行ときわ用気動車なのでグリーン車も編成に組み込まれていました。もちろんグリーン料金は徴収されません。この列車に乗るときはリクライニング椅子のグリーン車がお得でした。

 気動車用サボ

 気動車用サボは電車用と違い、コスモ星丸の絵が無いタイプでした。

 12系急行型客車 エキスポライナー

EF80 荒川沖〜土浦にて


EF8181 土浦駅にて
 12系急行型客車

 東京北鉄道管理局尾久客車区の波動輸送用車両12系客車によるエキスポライナー。11両編成(+機関車)で運転されました。

 運転日
 3/21,31,4/1〜7,28,29,5/3〜6,6/2,9,16,23,30,7/7,14,8/1〜9/1,5〜16
のエキスポライナー5,11,25,18,36,44号に充当(ただし25,44号に関しては20系運転日以外)。

 牽引電気機関車は交直流両用、田端機関区所属のEF80とEF81でした。春先はEF80が多かったのですが、初夏以降はEF81が殆どでした。

 こぼれ話

 エキスポライナー36号(12系)は万博中央駅18時53分発で次の停車駅取手に19時25分着。エキスポライナー38号(電車)は36号のあと万博中央駅発18:59ですが取手には19時16分着。
 なんと後発のエキスポライナーが先に到着してます!
 答えは簡単、エキスポライナー36号は藤代駅で特急列車通過待ち合わせをするのですが、一緒にエキスポライナー38号まで先に通してしまうのです。エキスポライナーがエキスポライナーを抜くなんて変ですね。

 エキスポライナーは当初の予定より乗客が少なく、空気を運んでいる状態が続きました。12系エキスポライナーは11両でしたが、とうとう6月終わり頃には7両という短い編成になってしまいました。それでもガラガラ。勿論、7月以降は11両に戻りましたが...

EF8117 万博中央駅にて

EF8188 我孫子駅にて

EF81301 高萩駅?

 
 20系特急型寝台客車 エキスポライナー

EF8052 高浜駅にて


20系客車 赤塚駅にて
 20系特急型寝台客車

 東京北局尾久客車区の20系特急型寝台客車エキスポライナー
 科学万博直前のダイヤ改正で廃止された急行「おが」に使用されていたナハ21を中心に、余剰となっていた20系特急型寝台客車を使用したエキスポライナーです。
 運転日3/21,4/28,29,5/3〜6,6/2,9,16,23,8/1,2,9〜15のエキスポライナー25号と44号に充当されました。
 ※ 8/1,2はダイヤ情報には記載がありませんが現地にて確認しました。

 牽引機

 牽引機は交直流両用電気機関車、田端機関区所属EF81でした。期間中1度だけ6月23日にEF80(52号機)と20系のエキスポライナーが実現しました。

 こぼれ話

 20系客車は寝台用客車が基本なのですが、エキスポライナーは座席車(ナハ21)中心に編成を組んでいました。しかし全車座席車にはならず、編成中数両が寝台車(ナハネ20)が組み込まれていました。もちろん寝台車と言っても寝台を解体(収納)して座席にしてあるわけですが、この寝台を組み立てる輩が出現していました(鉄道ファンが中心です)。そこで車掌の車内放送。「寝台の組立はやめてください」 。毎度の放送です。

 20系客車は昭和30年代に登場した比較的古い形式で、出入り口の扉が手動扉でした(施錠は自動ですが、開閉が手動です)。降りるときはお客さんがドアの取っ手を引いて開けるのです!降りるときに「ドアが開かない」と文句を言う客も出現していました。なお万博中央駅では、全部のドアを1つずつ閉める作業をし、全部閉まるのを確認してから自動施錠、そして発車という形で対応していました。お盆中の多客時、万博中央駅員が確認作業中に一言。「こんな車両持ってくるなよ〜」。と汗だくで1両ずつ閉扉確認をしていました。

 国鉄の花型元祖ブルートレインも、エキスポライナーでは料金券無しの普通列車でした。
 ヘッドマーク
 電車・気動車用のヘッドマーク

 材質は合板で、痛みが激しいのが判ります。塗りもペンキなので、半年間の雨風で色が一部落ちています。
 なお、このタイプのヘッドマーク図柄は2種あって、星丸の後ろの黄色い輪の部分に、青色の陰が有るものと無いものが存在してます。ただし陰有りは少数。
 機関車用が別に存在しますが、市場に出たのは未見です。

 ※お断り ここで紹介した鉄道用品は合法的に入手した物です
 こちらが影ありタイプ。
 電気機関車用ヘッドマーク。尾久車両センター公開時に撮影。
 愛称板
 581系583系使用の愛称板

 材質は琺瑯です。ウエの文字は「上野持ち」を意味しています。琺瑯タイプはマニア向けに複製品が発売されていました。画像の板は正規品です。
 12系客車使用の愛称板

 材質はアルミです。尾久客車区持ち。イとナの間に、盗難防止の穴があります。
 上野駅乗車口札

 上野駅乗車口札

 ホーム軒先に吊り下げられていた、乗車口札。

 上のエキスポライナー1号万博中央行。1号は時期によって行先や使用車両が変わった列車でした。気動車の場合は土浦行、電車の場合は万博中央行でした。なお415系の場合は既存の3つドア乗車口が使われたはずなので、掲載の札は581系エキスポライナーで使用されたものと推察します。

 下のエキスポライナー5号土浦行は、12系客車のエキスポライナーでした。
 編成記録
581系エキスポライナー
大ムコより借入 5/24〜7/8
クハネ
581-29
モハネ
583-70
モハネ
582-70
モハネ
583-87
モハネ
582-87
サロネ
581-1
サロ
581-29
モハネ
583-75
モハネ
582-75
モハネ
583-85
モハネ
582-85
クハネ
581-24
←上野
表示:臨時
→土浦
表示:エキスポライナー


9436レ エキスポライナー44号
4月28日
EF8183 ナハネフ
23 17
ナハネ
20 307
ナハ
21 7
ナハ
21 3
ナハ
21 8
ナハ
21 5
ナハ
21 2
ナハ
21 1
ナハネ
20 345
ナハネ
20 321
カヤ
21 21
←上野
 機関車:田端 客車:北オク
→土浦


9436レ エキスポライナー44号
8月1・2日 8月9〜15日
ナハネフ
23 11
ナハ
21 4
ナハ
21 1
ナハ
21 7
ナハ
21 5
ナハ
21 2
ナハ
21 3
ナハ
21 8
ナハ
21 6
ナハネ
20 355
カヤ
21 12

 機関車:田端 客車:北オク
大宮→武蔵野経由→水戸→上野を走るため各日編成方転


9420D エキスポライナー40号
8月25日
キハ28
2381
キハ58
260
キハ28
2392
キハ58
76
キハ28
2371
キハ28
2393
キハ58
455
キハ28
2446
キハ28
2383
キロ28
2125
キハ58
202
キハ28
2372
←上野
 水戸機関区所属(水ミト) 全車冷房車
→土浦
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